結局戻ってくるのは最強さんだったりするからその謎は何処にあるのかわからないだろう [ 螺旋のエンペロイダー Spin1. ]
ブギーポップは笑わない、を読んだ時に、これからのライトノベルはこういうふうに流れていくのかもしれない、と思ってからもう十数年がたった。その後出てきたライトノベルを僕は結構高確率でマイナーなものも含めて読んでいるつもりなんだけども、例えばインデックスだってそうだけど学園異能ものの源流はこの人なんじゃないかなって思っていたりする。
セカイ系と呼ばれていたけれども、その頃いた人たちはみんないなくなってしまった。でもその血脈は脈々と受け継がれている気がする。
例えばスレイヤーズとかオーフェンとか、そういうライトなジャパニーズファンタジーが衰退して、日常系の学園青春異能ものが台頭してきた背景には、やっぱりヒーローの像が変わったのかなって思ったりしたりするんだけど、どうだろう。
あなたの中で最も最強な物語の登場人物は誰?

- 作者: 上遠野浩平,巖本英利
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 文庫
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ブギーポップのスピンオフ作品。久しぶりの新作だし、でもどうせ上遠野なんだろ?と思ったら、まんま上遠野でなんか安心してダラダラ読んだ。
彼の作品は基本的に意味も物語も筋も何もないのだけれども、文章も下手くそだし熱も足りないんだけど、キャラクターも大して魅力的じゃない、つまり特に取り立てて素晴らしいところなんてなくて、本作もそんなふうな平々凡々としたたぶん今の新人賞に応募したら1次選考できられちゃうんじゃにのってものなんだけど、其処はやっぱり時代を築いた人だし、年に何冊かは出る。
それでも、この本は評価すべき点があって、例えばパンドラを想像させるところとか、いいんじゃないかなって思う。

ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」 (電撃文庫 (0306))
- 作者: 上遠野浩平,緒方剛志
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 1999/06
- メディア: 文庫
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ブギーポップシリーズの中では何人かの最強さんが登場するのだけれども、その最強の一人をパンドラではあっさり行方不明にした。僕の中では最強といえばユージンという設定があるほど大好きなキャラクターなんだけど、上遠野はどう思っているのかは知らないけれども、その後名前が出てきても直接登場したことはないはず。
エンペロイダーにはフォルテッシモが出てきます。フォルテッシモはあまりにも強いのでその強さが形容できないぐらいなのだけれども、つまり、少し変わった能力を持った少年少女たちと最強の組み合わせというところで、なんとなくもしかしたらだけれども上遠野なりのパンドラに対してのアンサーなのかなって思ったりするわけです。
わかんないけどね。