夏の日にはプールがいいと思います [ハイライトブルーと少女]

或る日の事、東京かぶれに為ってしまったボクが和歌山に帰ると当時の友人達がまるで待っていたよといってくれる感じで、プールに行こうと言い始めた。どんな所帯だったのかは想像でしか覚えていないのだけれども、多分男が四人と女の子が3人だったような気がする。
当時のボクは実家に帰ると大抵決まったメンバーの4人か5人で行動していたし、最少人数は3人だった。僕たちはその頃友達だったと思う。今でもそう思っているけれども、その頃の人間と合うのは一人だけだ。友だちとは、減っていくばかりであまり増えないものなんだな、と思ってる。もしかしたら、こっちに来てから積極的に友人を作ろうとしなかったこともあるのかもしれないし、東京ではファジーなつきあいかたはあまり好まれなかったのかもしれない。

秋葉山という小さな山があって、そこには4段からのプールがある。(たぶん今でもある)
坂を登り切った一番下に駐車場、入場券を買うと更衣室がわかれていて、直ぐ目の前が幼児・低学年児童用プール、2段目に25メートルのラッププール、3段目に50メートルのラッププール、一番上は飛び込み台のあるとても深いプール。一番上のプールは基本的に一般人は遊泳できない。
流れるプールとかのない、古くシブいプールなのだけれども、市営だか県営だかで安いので夏休みには人が集まる。屋外なのでいろんな怖い噂とかもあるけれども、古いのだし、仕方がない。
女子は浮き輪などで遊ぶし、泳げないという友人も、女子と一緒に25メートルのラッププールで遊んでいた。25メートルのプールは比較的浅く、僕でも確か問題なく立てた。結構浅いと思う。幼児用は膝ぐらいまでしか水がなく、50メートルのプールは水深が180センチからあるのでバシャバシャ遊ぶのには向いていないので、自然と25メートルのプールが混雑を極める。
僕達は狭いながらも自分たちのエリアを確保して、遊んでいたのだけれども、とにかく浮き輪、浮き輪が邪魔なので、浮き輪の上に乗っている女の子ごとクルッと回転させて、ブクブク言わせて遊んでいた。今考えれば非常に危ない遊びだったと思うのだけれども、良い思い出だ。
僕は一人で50メートルのラッププールに上がり、何度か自由形で往復をしていると、疲労を感じたので、誰も居ない静かなプールの上でぼんやりと空を眺めた。
そんなに長い時間を待たずに友人がやってきて、僕のそばにわざと飛び込み、監視員にピーっと増えを鳴らされ、僕は笑った。

ハイライトブルーと少女 (講談社BOX)

ハイライトブルーと少女 (講談社BOX)


丈の合っていない嗜好品のような小説だった。
青年がタバコを吸い、ガードレールにもたれかかり、買ったばかりのハイライトを吸って、タバコ屋の向こうの人と少しお喋りをして、仕事先ではデキるお所酒を酌み交わし、恋愛ごっこをして、ふと自分に微笑してナルシストであることを認めない青年が、主人公。
吸っているのがハイライト。
海の上でも酒場でもバーでも、粋良く格好良いのがデキる男。

恋愛とか、やっぱりごっこでいいと思うし、それが一番楽しいと思う。