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上手く話が出来ないこと [志乃ちゃんは自分の名前が言えない]

或る日の事、バイトが終わって紀の川にかかる一銭橋という橋を寒空の下家に帰るために渡っている時、なんで時給635円で2時間半のために往復1時間弱かけてバイト先のスーパーにまで足を運ばなければならないのかからないな、と思っていました。
その橋は今はもうなくて、大きな橋に架け変わっているのですけれども、本当はもう何十年も前にその大きな橋ができているはずで、でもようやく僕が高校生の頃から工事が始まったように思います。そうして一銭橋はひっそりと日陰な存在になり、今はもうその橋は存在しません。
高校の時の青春は恋愛をすることだったけれども、バイトも部活も何もかもが楽しくて、その一つ一つに濃密なエピソードがあるのだけれども、今思い返せるのはアウトラインだけ。
暗い一方通行の橋を自転車で白い息を吐きながら星の下で、ガタンゴトンという遠くの南海電鉄の鉄橋の音が聞こえてくると、何クソ負けるか、などと思ったものです。

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

志乃ちゃんは自分の名前が言えない


なんだか年始からすごくいい本にあたっているなぁ、というのをまじまじ感じさせられるのですけれども。人とうまくコミュニケートできない女の子の話。
一人なら喋れるのに、大人数の前だとどうしても話を窮する。ボクもそういうところはあって、だからじゃないですけどこの主人公はすごく漫画っぽかった。
上手く話すことは出来ないんだけれども、ちゃんと主義主張があって、見たくないものもあって、でも恋愛してて、友だちも欲しくて、どうしたら良いかわからなくて、自分自身にイライラしてるんだけど、どうしてもそれを上手く消化することが出来なくて人に当たっちゃったり、でも不器用だから自分に帰ってきたり。
泣いて、喚いて、苦手なことが自分が嫌いで、好きになろうっていう努力よりもなんでって思うことが強くて。
マンガってこうでなきゃ。